中国のリハビリ補助器具産業の規模が7300億元(1元=約23円)を超えた。関連産業の集積が進む中、ブレイン・マシン・インターフェース(BMI)や人工知能(AI)、仮想現実(VR)などの技術を取り入れた製品が、障害者の生活支援や介護の現場で使われ始めている。中央広播電視総台・中国之声が伝えた。
河南省安陽市で開かれた「全国障害者支援デー」のイベント会場では、BMIを使ったスマート車いすが注目を集めた。利用者は頭部に装着した脳波取得装置で脳信号を読み取り、意識を集中させることで、車いすの前進、後退、方向転換、発進・停止を操作できる。
同省にある医療グループの担当者は、「脳卒中による手の機能障害や、脊髄損傷による高位まひがある場合、従来の電動車いすでは外出が難しいケースがある」と説明する。そのうえで、「BMIを組み合わせることで、この問題に対応できる」と述べた。
山東省青島市には、リハビリテーションケアに特化した中国初の公共訓練・検証サービスプラットフォームがある。施設では、薬の搬送ロボットが薬をつかんで届ける動作を繰り返し訓練している。見守りロボットは、高齢者や障害者の生活習慣や異常状態を識別するための学習を行う。スマート介護ベッドや巡回点検用のロボット犬なども、区域ごとに訓練と検証が進められている。
中国民政部(省)の統計によると、中国ではリハビリ補助器具の生産、研究開発、販売、配置、レンタルなどに関わる市場主体が約24万社に上る。2025年末時点で中国市場に流通するリハビリ補助器具は1万種類を超え、産業規模は7300億元を突破した。
同部社会事務司障害者福祉処の焦佳凌処長は、「AI、BMI、VRなどの新技術をリハビリ補助器具に組み込む動きが強まっている。そんな中、外骨格ロボットやバイオニック義肢など、高度な技術を取り入れた製品も登場しており、家庭、介護施設、障害者サービス機関、医療機関などの場面で活用されている」と語った。