中国の国家電投集団は、20メガワット(MW)の浮体式洋上風力発電実証機「図強号」の建造開始式典を20日、広東省珠海市で開催した。鋼・コンクリート複合構造を採用した20MW級の深海域向け浮体式風力発電基礎の建造は初めてとなる。科技日報が伝えた。
「図強号」は、国家重点研究開発計画の実証プロジェクトで、深海域での強い台風や複雑な地質条件に対応できる浮体式洋上風力発電基礎技術の開発を目的としている。高い耐荷重性と信頼性を確保しながら、コストを抑えることを課題としている。
同プロジェクトで搭載する20MW級の浮体式風力発電機は、1基当たりの出力で世界最大となる。年間発電量は約5500万キロワット時(kWh)を見込み、約1万6000世帯分の電力需要に相当する。
基礎構造には、新型の鋼・コンクリート複合構造を採用した。鋼とコンクリートの接合部に埋め込み式のノード構造を導入し、プレストレス鋼材で一体化する。これにより、鉄筋コンクリートの使用割合を高め、基礎部分に用いる鋼材の量を削減し、建設コストを抑える。
洋上での設置には、中国で初めて、静的工法と動的工法を組み合わせた方式を採用する。独自開発した波浪補償型の洋上設置技術を用い、海上で浮体式風力発電機を設置する際の波の影響を抑える。施工時のリスク低減に加え、今後の運用・保守での活用も想定している。
「図強号」の基礎構造では、1MW当たりの鋼材使用量を300トン未満に抑える見通しとなっている。建設コストは1kW当たり2万元(1元=約23円)未満を見込み、既存の浮体式実証機と比べて30%以上低くなる見込みだ。
同プロジェクトは、深海域向け浮体式洋上風力発電の実証と、将来の大規模な商業利用に向けた技術開発の一環として進められている。

(画像提供:人民網)