中国石化上海石油化工股份有限公司はこのほど、上海石油化工研究院と共同で、湿式紡糸法によるT1000級高性能炭素繊維の基幹技術を開発し、量産化を実現した。人民網が伝えた。
同製品は、航空宇宙、エンボディドAI(人工知能)、低空経済(低空域飛行活動による経済形態)などの先端分野や将来産業での応用が見込まれる。
炭素繊維は「新素材の王」や「黒い金」とも呼ばれる。密度は鋼の4分の1未満でありながら、強度は鋼の7~9倍に達し、耐腐食性も備える。
炭素繊維はトウ(長繊維束)の規格により、ラージトウとスモールトウに分類される。業界では「K」でトウ規格を表し、1Kは単繊維1000本を意味する。24K以下はスモールトウ炭素繊維とされ、繊維束が細く、性能が均一で、精度が高いため、航空宇宙やハイエンド設備など高性能が求められる用途に適している。48K以上はラージトウ炭素繊維とされ、単一ラインの生産能力が高く、コストを抑えやすいため、風力発電やエネルギー貯蔵などの産業分野での大規模利用に向いている。T1000級の「T」は引張強度の等級を表し、数値が大きいほど強度が高い。
上海石化が今回開発・量産した高性能炭素繊維は12Kのスモールトウで、1束あたり1万2000本の単繊維で構成される。単繊維の直径は髪の毛の直径の10分の1ほどだが、単一の繊維束の引張強度は6.5ギガパスカル(GPa)超、引張弾性率は300GPa超に達する。中国石化上海石化の担当者によると、これは重量約10トンの中型トラック1台を牽引できる力に相当するという。

(画像提供:人民網)