中国天津市で、BMI(ブレイン・マシン・インターフェース)技術の実用化に向けた取り組みが進んでいる。BMIは、人間の脳と機械の間に情報伝達経路を構築し、生体知能と機械知能の相互作用を可能にする技術だ。人民日報が伝えた。
天津市にある脳機交互・人機共融海河実験室(以下、海河実験室)では、BMI関連の製品や応用事例が展示されている。
海河実験室の中核企業である中電雲脳は、8チャンネルBMIヘッドバンドを開発している。中電雲脳(天津)科技有限公司のマーケティングディレクターである王偉氏によると、このヘッドバンドは脳波の収集と符号化・復号化に使われる。収集したデータを同社開発のアプリと接続し、自社開発ソフトウェアで処理することで、利用者のストレス値、疲労度、平静度、集中度などを数値化できる。
同社は睡眠用BMIヘッドバンドも開発している。このヘッドバンドは利用者の睡眠状態を記録するだけでなく、能動的な介入によって睡眠の質の改善を支援できるという。
海河実験室の産業化推進企業である天開燧世は、BMIを使ったリハビリ向け機器を開発している。同社のシステムでは、頭部に装着した機器を通じて脳信号を読み取り、手を握る動作などにつなげる。
天開燧世(天津)智能科技有限公司の製品ディレクターである陳露氏は「片麻痺患者は、手足の運動が難しい場合でも、脳信号を使って動作を補助できる。このようなリハビリ訓練を通じて神経可塑性を刺激し、神経回路を再構築することで、患者の運動機能の回復を支援できる」と説明した。同社がBMI技術を基盤に開発した医療機器や治療ソリューションは、すでに中国各地で導入されているという。
海河実験室は、BMI分野で多数の特許を保有している。脳波認識精度、制御命令数、情報伝送速度で高い水準にあるとしており、中国発明特許と国際特許を合わせて300件近くを保有している。
技術革新と産業化を進めるため、天津市はこのほど「天津市BMI革新的発展推進行動計画(2026~30年)」を発表した。
同計画では、2027年までに中核競争力を備えたイノベーション型企業50社を誘致・育成し、関連製品をウェルネス・介護、教育、先進製造などの分野で大規模に応用する方針を示している。また、2030年までに総規模100億元(1元=約24円)超の産業基金群を設立し、10種類以上の非侵襲型BMI製品の大規模臨床応用を実現する目標を掲げている。
海河実験室の常務副室長である倪広健氏は「BMIが一般社会に浸透するスピードは、多くの人々の予想を上回る可能性がある」と述べた。