中国浙江省杭州市で6月29日、ロボットに用途別の技能訓練を行い、認証する「杭州ロボット学校」が開校した。産業用、サービス、警備、エンターテインメントなど多様な分野のロボット30台が第1期の「学生」となり、今後、体系的な「職業技能」訓練を受ける。修了後は「技能証明書」を取得し、実際の現場に投入される。中央テレビ網が伝えた。
国際ロボット連盟(IFR)の報告書「ワールドロボティクス2025」によると、中国の2024年の産業用ロボット新規導入台数は29万5000台に達し、世界全体の54%を占めた。一方で、導入台数の増加がそのまま効果的な活用につながっているわけではない。
浙江大学ロボット研究院の朱世強院長は、「多くの企業は優れたロボット本体を製造できるが、それだけで優れた製品を開発できるわけではない。重要なのは、利用シーンに適応した『頭脳』を開発する能力が不足していることだ」と述べ、ロボット製品開発における課題を指摘した。
現在、一部の企業が製造するロボットは基本的な動作能力しか備えておらず、複雑な実環境で判断を下す能力や、特定の職務に対応する専門技能、安全性・倫理面で検証可能な基準を欠いている。そのため、日常生活への大規模な導入はなお難しい。
こうした背景の下で誕生したのが杭州ロボット学校だ。同校は浙江大学ロボット研究院が主導し、浙江省品質科学研究院と杭州城西科学技術イノベーション回廊が共同で設立を進めた。ロボットそのものに対して体系的な「職業技能」の育成と認証を行う、中国初の総合的な産業支援プラットフォームだという。
杭州ロボット学校は、人間の職業教育制度を参考に、ロボットごとに訓練の流れを設計している。同校が独自に考案した「徳・知・体・美・労」の5つの側面からなる育成モデルでは、倫理・安全、認識能力、動作性能、外観や表現面、実際の利用シーンでの実践能力まで、多方面からロボットの総合的な能力を育成する。
現在、校内には工業技術科、医療科、芸術科、体育科の4つの専門課程が設けられており、入学時の検査、分野別の実技訓練、実環境での評価試験など、一連の育成プログラムが実施される。ロボットは課程修了後、同校と浙江省品質科学研究院が共同で知能レベルを評価し、試験に合格したロボットには「専門技能等級証書」が交付される。さらに、ロボットごとに識別コードを付与し、資格を得たロボットとして現場に投入される。同校は実際の業務に就いた後のロボットの稼働状況も継続的に追跡し、その結果を教育プログラムの改善に反映させる。
二次開発やシナリオベースの訓練施設とは異なり、杭州ロボット学校はロボットの「頭脳」の強化とエンボディドAIの統合を重視している。朱院長は、「ここを卒業するロボットは、単に技能訓練を修了するだけではない。さらに重要なのは、継続的に学習する能力という『遺伝子』を身に付けることだ。卒業後も実際の現場で学び続け、絶えず進化を重ねることができる」と語った。

(画像提供:人民網)