2026年07月06日-07月10日
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着ると表面温度が7~8度低下 北京大学チームが温度調整繊維を開発

2026年07月07日

 夏の屋外作業やスポーツでは、衣服内の熱をどう逃がすかが課題になる。北京大学の鄒如強教授の研究チームは、相変化材料(PCM)を使い、周囲の温度変化に応じて熱を吸収・放出する繊維を開発した。この素材で作ったベストは、通常のポリエステル製ベストより表面温度を7~8度低く保てるという。科普中国が伝えた。

 研究成果は今年、学術誌「Nature Communications」に掲載された。相変化材料は、物質の状態が変わる際に熱を吸収・放出する性質を利用する材料で、水が氷になったり、氷が水になったりするような相変化の過程では、熱の出入りがあっても温度変化が抑えられる。

 鄒氏は、「簡単に言えば、布地の中に隠れた『スマートエアコン』のようなものだ。外気温が高くなると熱を吸収して蓄え、気温が下がるとゆっくり放熱する。一方で、素材自体の温度はほとんど変わらない」と説明した。

 研究チームは、従来の繊維材料に微量のカーボンナノチューブを補強材として加え、熱を伝えやすくする経路として利用した。さらに、3次元相互貫入高分子ネットワークを構築し、その内部に相変化分子を閉じ込めた。これにより、分子が溶けて液体になっても外部に漏れにくくし、素材の柔軟性も高めた。

 この相変化繊維は、蓄熱効率が高く、靱性と強度も備える。既存の商用繊維設備に対応でき、裁断、縫製、製織などの工程にも組み込めるとしている。

 研究チームは、素材の温度調整効果を調べるため、この繊維でベストを試作し、夏の屋外環境で通常のポリエステル製ベストと比較した。その結果、ポリエステル製ベストの表面温度は約50度まで上昇したのに対し、相変化繊維を使ったベストは約42度にとどまった。高温の室内環境でも、吸熱を緩衝する性能と断熱性能を示した。

 鄒氏は、「このアプローチは単に新しい布地を開発しただけではなく、次世代スマート熱管理材料の新たな方向性を切り開くものだ」と述べた。将来的には、特殊防護服、ウェアラブル医療機器、スマートスポーツウェア、宇宙飛行士の船内服、建築物の省エネルギー繊維などへの応用が想定されている。

(f)CNT(カーボンナノチューブ)で強化した相変化繊維を用いた布地。スケールバーは20cm。(g)温度調整機能を持つ相変化繊維を用いたベスト。スケールバーは10cm。(画像提供:人民網)

 
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