南京大学の周豪慎教授の研究チームが、リチウム金属電池のエネルギー密度を高めながら、充放電サイクル寿命を延ばす新型電解液を開発した。研究成果は8日、国際学術誌「Nature」にオンライン掲載された。新華網が伝えた。
周氏によると、リチウム金属電池はエネルギー密度が高く、次世代の新エネルギー車や民生用電子機器への利用が想定されている。一方、従来の電解液は負極との適合性に課題があり、電池寿命を縮めるほか、電極表面に針状のリチウムデンドライトが形成されやすい。リチウムデンドライトがセパレーターを突き破ると、短絡や発火を引き起こす恐れがある。
近年は、リチウム金属電池に「局所高濃度電解液」を用いる研究が進められている。しかし、充電時には電解液の成分が電極表面で不可逆的に分解され、電解液の消耗に伴って電池性能が低下するという課題があった。
研究チームは、この問題に対応するため、電極表面付近で選択的に作用する新たな反溶媒を導入した。充電時には、電場の作用により、反溶媒が正極から放出されたリチウムイオンを受け取り、既存の溶媒和構造が崩れるのを抑える。この反溶媒は電極表面付近でのみ作用するため、電解液本来の働きを妨げないという。
研究チームは、この反溶媒を用いて新型電解液を調製し、リチウム金属パウチ型電池で試験した。エネルギー密度450Wh/kgでは750回を超える充放電サイクルを達成した。エネルギー密度を605Wh/kgに高めた場合でも、150回にわたり安定した充放電を維持した。現在の電気乗用車用電池のエネルギー密度は約200Wh/kgだという。

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