中国科学院化学研究所の李永舫院士、孟磊研究員らの研究チームは、ペロブスカイト・有機タンデム太陽電池で、第三者機関の認証による定常状態の光電変換効率28.04%を達成した。研究成果をまとめた論文は13日、英科学誌「Nature」にオンライン掲載された。中国新聞網が伝えた。
太陽電池では、安定性と高い光電変換効率の両立が重要な研究課題となっている。研究チームは、結晶成膜時から光照射下での動作時まで相分離を抑制する「全段階制御」戦略を考案し、添加剤分子TDBを導入した。
論文の筆頭著者で、中国科学院化学研究所の博士課程に在籍する呉睿涵氏は、「研究チームは、光によって構造が変化する添加剤分子『TDB』を設計した。結晶成膜時には、TDB分子が複数のペロブスカイト前駆体と相互作用し、ヨウ素と臭素がより均一に分布したワイドバンドギャップ・ペロブスカイト薄膜を形成する。光照射下での動作時には、結晶粒界に集積したTDB分子が光によって活性化され、新たな構造を持つTAB分子に変化する。TAB分子はペロブスカイト表面とより強固に結合し、ヨウ素関連欠陥の形成を効果的に抑えるとともに、光照射下でのハライド相分離を抑制する」と説明した。
論文の共同責任著者である孟氏によると、同研究における重要な技術的課題は、臭素含有率の高いワイドバンドギャップ・ペロブスカイトを「光に弱い」材料から「光を制御できる」材料へ転換することだった。新たに導入したTDB分子が、その転換の鍵となった。結晶成膜時には混合ハライド相を安定化し、光照射下ではペロブスカイト表面により強固に吸着するパッシベーション分子へ変化することで、材料の形成から実際の使用までの全段階で相分離を抑制する。これが「全段階制御」戦略の中核だという。

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