2026年07月21日-07月24日
トップ  > 中国 科学技術ニュース >  2026年07月21日-07月24日 >  廃液から純度99.4%の金を回収 中国・米国の研究チームが新技術

廃液から純度99.4%の金を回収 中国・米国の研究チームが新技術

2026年07月22日

 還元剤や吸着剤、触媒を添加せず、油水系を適度に加熱することで、廃液から金を回収する技術を中国と米国の研究チームが開発した。中国石油大学(華東)が15日に明らかにした。同大の操応長教授と遠光輝教授のチームが、米スタンフォード大学の研究者と共同で研究を進めた。成果はこのほど、国際学術誌「米国化学会誌(Journal of the American Chemical Society)」に掲載された。科技日報が伝えた。

 研究チームはこれまでの地質流体に関する研究で、高温条件下の油水界面に、反応活性を持つ微小な水滴が大量に生成されることを発見した。この現象に着目し、微小水滴が持つ化学的作用だけで、成分が複雑な廃液から金を選択的に回収できるとの仮説を立てた。

 そこで、熱駆動型の油水界面反応システムを構築した。油水系を適度に加熱すると、油水界面に直径約5~50マイクロメートルの微小水滴が継続的に生成される。微小水滴は反応性の高い界面微小環境を形成し、溶媒和電子や水素原子、ヒドロキシルラジカルなどの酸化還元活性種を生成する。これにより、還元剤や触媒、吸着剤を加えずに、溶液中の金イオンを単体の金に還元できる。さらに、微小水滴の合体と破裂によって金ナノ粒子の衝突と凝集が促され、マイクロメートルからミリメートル程度の大きさの金粒子へと成長する。

 実験では、界面で生成される微小水滴が金を選択的に回収する化学的な仕組みも明らかになった。王水系の複雑な廃液と電子廃棄物の浸出液からの金の回収率は、それぞれ98.5%と97.0%に達した。加熱と冷却を繰り返すことで回収時間を短縮でき、油相を繰り返し使用した場合も回収効率は90%以上を維持した。スケールアップ実験では、500ミリリットルの金含有浸出液を処理し、0.5657グラムの固体生成物を得た。生成物に含まれる金の純度は99.4%で、複雑な酸性廃液から貴金属を回収する技術への応用が見込まれる。

 
※掲載された記事、写真の無断転載を禁じます
 

中国科学技術ニューストップへ
上へ戻る