2年前、中国浙江省の家庭にあったリンゴから、白いキノコが生えているのが見つかった。このキノコは中国科学院の博士課程生の関心を引き、研究用に譲り渡された。インターネット上では、このキノコは「果菌王」と呼ばれた。中央テレビニュースが伝えた。
中国科学院昆明植物研究所はこのほど、第8世代の「果菌王」を育成し、食用化した。柔らかく歯切れの良い食感で、和え物や炒め物など、さまざまな料理に適しているという。
研究に携わった許容聚氏は、青蔵高原における水生菌類の種多様性を専門としている。許氏が所属する同研究所の真菌多様性・分子進化研究グループは、趙琪氏が率いる40人以上の研究チームで、キノコ類の研究に取り組んでいる。
趙氏によると、リンゴに生えていたキノコはスエヒロタケである。スエヒロタケは胞子を広範囲に飛散させ、大気循環の影響によって、その胞子は世界各地に存在している。適切な湿度条件が整うと繁殖を始め、胞子がリンゴの果柄部に到達すると、果芯を生育基盤として栄養を蓄えた後、キノコが生えてくるという。
研究チームは、リンゴから菌株を分離・純化し、少量の栽培袋に植え付けた。1カ月後に初代系統の育成に成功したが、市場に流通するスエヒロタケよりも食感が硬かった。このため、有人宇宙船「神舟12号」に搭載され、宇宙飛行を経験したスエヒロタケの菌株と「果菌王」を親株として交配し、食感が良く、胞子形成の少ない系統を選抜した。チームメンバーの木立恒氏によると、まず800株以上を一次選抜し、生育速度や耐性などの指標に基づく二次選抜で400株余りに絞り込んだ。さらに選抜を重ね、4世代にわたる育種を経て、淡い桃色でシャキシャキとした食感の菌株を育成した。
2026年2月には、第8世代の「果菌王」を育成した。胞子をほとんど形成しないことに加え、栽培期間も短く、植菌から15~20日で収穫できる。趙氏によると、現在は雲南省の温室施設で試験栽培が行われ、小規模な市場供給も始まっている。研究チームは今後、この菌株を宇宙へ送り、宇宙飛行を経験したスエヒロタケの菌株と比較し、宇宙環境が菌株に与える変化を調べる計画だ。

(画像提供:人民網)