中国江蘇省無錫市でこのほど開かれた中国航空科学技術大会で、2026年度の航空分野における重大科学技術課題が発表され、超音速旅客機が注目を集めた。将来、超音速旅客機が実用化されれば、北京から上海まで約30分で移動できる可能性がある。人民網が伝えた。
超音速航空機とは、音速を超えて飛行する航空機を指す。超音速旅客機では、音速の1.5~2.0倍程度での飛行が想定されている。音が空気中を伝わる速度は秒速約340メートルだ。
従来の民間旅客機の飛行速度は時速約900キロで、音速の約8割に相当する。一方、軍用の超音速戦闘機は短時間の加速で音速を突破できる。しかし、超音速機を民間旅客機として実用化するには、長時間にわたる超音速巡航を実現する必要があり、エンジン性能と燃料効率の両面で、より高い水準が求められる。
もう一つの技術的課題が、超音速飛行に伴って発生するソニックブームだ。
米航空宇宙局(NASA)は今年6月、実験機「X-59」で初の超音速飛行を行い、マッハ1.1に到達した。X-59は、ソニックブームを知覚騒音レベルで75PLdB以下に抑えることを目標としている。
中国の研究チームも超音速旅客機の騒音低減に向け、取り組みを進めている。天目山実験室の縮小型実証機は昨年、低速飛行試験を終えた。同機は「三翼面+T字尾翼」の空力レイアウトを採用し、機体前方に集中する衝撃波を分散させることで、ソニックブームの低減を図る設計となっている。
研究チームによると、年内にも超音速試験飛行を行い、ソニックブームの騒音を80デシベル以下に抑えることを目指す。
かつての超音速旅客機開発時と比べ、現在は空力シミュレーションや新素材、飛行制御技術が進歩している。一方、業界では、一般の利用者が商用化された超音速旅客機に乗れるようになるまでには、少なくとも20年程度の研究開発と実証が必要との見方がある。

(画像提供:人民網)