2021年09月
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新時代のテクノロジー需要に対応、7つの新アカデミックプログラムを開始 IITルールキー校

インド工科大学ルールキー校(IIT Roorkee: IIT-R)は、専門的なデータサイエンスと人工知能分野と共に、エンジニアリング、建築、経済学、管理の分野で、7つの新しい学術プログラムを立ち上げ、新時代のテクノロジー需要の高まりに応える。

インド科学技術庁(DST)のアシュトーシュ・シャルマ(Ashutosh Sharma)長官は、国内最古の工科大学であるIIT-Rでの新プログラムの創設・開始に当たり、「これらのプログラムが学生や現場の専門家がそれぞれの分野に付加価値を与えることを望む」とし、「この種の新しい取組みは、フォロワーとは異なるリーダーを育成する。「プログラムの概要や背景哲学を聞けてうれしく思う」と7月30日のオンライン式典で表明した。

その上で、シャルマ長官は、「新プログラムには、妥当で適切な知識の伝達と、我々が生み出す知識の活用が含まれる。それらは学際的なもので、『国家教育政策2020(NEP 2020)』にも沿っており、今回の発表は歴史的なサイロ(縦割りの弊害)を打ち破る」と付け加えた。

「国家教育政策2020:National Education Policy 2020」については文末の「関連記事」を参照。

新プログラムは、以下の6つの大学院学位(修士号)プログラム(➀~➅)と1つの5年間の統合プログラム(⑦)を含むものとなっている。

  1. (1)「人工知能・データサイエンスセンター(CAIDS)」での ①人口知能工学修士号、②データサイエンス工学修士号(工学修士号:MTech)
  2. (2)「デザイン学部」での ③工業デザイン修士号(MDes)、④イノベーション管理修士号(MIM)
  3. (3)「電子通信工学部」での産業現場の専門家のための ⑤マイクロエレクトロニクス&VLSI分野のオンライン工学修士号
  4. (4)「人文社会科学部」での ⑥経済科学修士号(MSEconomics: 5年間の統合プログラム)
  5. (5)「ダム工学国際センター」(従来の「水文学部」)での⑦ダム安全・リハビリテーション工学修士(MTech)により構成されている。

これら新プログラムは、今年秋のセッション(2021〜2022年)から学生に提供される。近年ますます重要性が高まる新しい分野で質の高い教育の促進を目指している。

立ち上げ式典に出席したIIT-R理事会長のB.V. R.モハン・レディ(B.V. R. Mohan Reddy)氏は、「これら新プログラムが、より柔軟でアクセスしやすく、生涯にわたるプロセスになることで、学習に対する考え方を変えたい」と指摘。「我々は "自立したインド"(Atma Nirbhar Bharat)政策も目指しており、それには、新しい学習アプローチを備えた新たな分野が重要となる。起業家精神と同様に、イノベーションは我々の未来において不可欠であり、より多くの雇用創出者(起業家)を確保するためにも、起業家精神育成プログラムを推進したい」と語った。

IIT-Rのアジト K.チャトゥルベディAjit K. Chaturvedi学長は、「これらの新プログラムが高等教育における将来のテクノロジーの需要を満たすと確信する」、また「これらすべての新しい学術プログラムは、私たちの国のニーズに対応しており、多くのレベルで慎重に検討され作成された」と強調した。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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