2021年度インド国家予算案において、インド初の有人宇宙飛行ミッション「ガガンヤーン(Gaganyaan)」で最初の"無人機"の打ち上げは2021年12月に予定されている。このことは本サイトのコラムですでに紹介した(下欄参照)。
同ミッションに関連してインド宇宙研究機関(ISRO)は2021年8月28日、「タミルナードゥ州マヘンドラギリのISRO推進コンプレックス(ISRO Propulsion Complex:IPRC)のテスト施設で、ガガンヤーンのサービスモジュール推進システム(SMPS)のシステムデモンストレーションモデル(SDM)を使った最初のホットテスト(450秒間)の実施に成功した」と発表した。
テストでは、システムのパフォーマンスは、テストの目的を満たし、テスト前の予測とほぼ一致していた。今後さらに、さまざまなミッション条件と非常事態条件(off-nominal conditions)をシミュレートするために、一連のホットテストが計画されている。
サービスモジュールはガガンヤーンの 軌道旋回(Orbita)モジュールの一部であり、乗組員モジュールの下に設置され、再突入するまで接続が維持されるもの。サービスモジュール(SM)推進システムは、5個の統合された二元推進剤システムであり、440Nの推力エンジンと、16個の100N反応制御システム(RCS)のスラスターで構成される。また、それらはMON-3を酸化剤としMMHを燃料としている。
システムデモンストレーションモデル(SDM)は、5個の440Nエンジンと、8個の100Nスラスターで構成され、地上での推進システム性能評価を実施するために設計、製作された。また、SDMテストのために、マヘンドラギリ(TN州)にあるIPRCに新たにテスト施設が設立されたものだ。
システムデモンストレーションモデル(SDM)
テストベッドに設置されたSDM
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部