世界的企業であるマイクロソフト(Microsoft)社とリンクトイン(LinkedIn)社は、「2024ワークトレンド指数(Work Trend Index 2024)」のインド調査結果を発表し、世界と比べ、インドの知識労働者のAI導入率が高いことが明らかになった。インドの人工知能(AI)関連のポータルサイトINDIAaiが5月17日に伝えた。
この調査は、職場でのAI導入に対する従業員の要望、AIによるキャリアアップの機会、将来のAIパワーユーザー(日常的にAIを活用し、仕事の効率を高めるためにAIを最大限に利用している人々)の出現に焦点を当てており、31か国の3万1000人を対象としている。
調査の結果、インドでは92%の知識労働者が仕事でAIを使用しており、世界平均の75%を上回っていた。これは、AI導入による時間の節約、創造性の向上、集中力の強化などを反映している。さらに、インドのリーダーは採用においてAIスキルを経験よりも優先しており、75%がAIスキルのない候補者を採用したがらず、80%が経験豊富な候補者よりもAIスキルを持つ候補者を採用したいと考えていることが明らかになった。また、91%のリーダーが競争力を維持するためにAI導入が必要と考えており、54%は自社のAI導入計画不足を懸念していた。
AIパワーユーザーの台頭についても分析されており、インドのAIパワーユーザーの90%は1日の始まりにAIを使用し、91%が翌日の準備にAIを活用していることも判明した。彼らは同僚に効果的なプロンプト(AIに特定のタスクを実行させるために与える指示や質問)について指導を求める可能性が37%高く、AIを試す可能性が47%高いことが分かった。
マイクロソフト・インド・南アジア(Microsoft India and South Asia)のマネージング・ディレクターであるイリーナ・ゴース(Irina Ghose)氏は、今回の調査結果から「AIは今や職場で現実のものとなっており、インドでは知識労働者のAI導入率が92%と最も高い国の一つです」と述べている。リンクトイン社のタレント&ラーニング・ソリューション部門責任者であるルシー・アナンド(Ruchee Anand)氏は、「AIは仕事の世界を変革し、人材の状況を再構築しています。個人と組織の双方がこの変化を受け入れる必要があります」と述べた。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部