2025年09月
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NISAR衛星打ち上げ成功、地球観測の新時代を開く インドISROとNASA

インド宇宙庁(DOS)は7月30日、インド宇宙研究機関(ISRO)と米航空宇宙局(NASA)が共同開発したNASA-ISRO合成開口レーダー(NISAR)衛星をインドのスリハリコタのサティシュ・ダワン宇宙センターから打ち上げ、軌道投入に成功したことを発表した。

ジテンドラ・シン(Jitendra Singh)科学技術相は、この成果を「世界的ベンチマーク」と称え、航空・海運・沿岸管理・都市計画など幅広い分野での革新をもたらすと述べた。

(出典:PIB)

NISARはNASAのLバンドレーダーとISROのSバンドレーダーを単一プラットフォームに搭載した世界初の地球観測衛星で、陸地や氷床の高解像度画像を昼夜・全天候で取得できる。12日ごとに全球の同一地点を観測し、災害管理、気候変動監視、氷河追跡、農業など多分野での利用が期待される。重量2393kgの衛星は高度747kmの太陽同期軌道に投入され、5年間にわたり森林マッピングや資源管理、地震・火山活動の監視などにも貢献する。

データはオープンアクセスで提供され、科学者や研究者だけでなく、発展途上国や災害対応機関、気候変動関係者にも利用可能となる。同相は「NISARはインドと世界の科学的な握手であり、よりスマートで科学的根拠に基づく意思決定を支えるものとなります」と強調した。

本ミッションは推定15億ドル規模で、NASAがLバンドレーダー、GPS受信機、高速通信システム、展開型12mアンテナなどを、ISROがSバンドレーダー、衛星バス(GSLV-F16搭載)、GSLV-F16ロケットによる打ち上げサービスなどを提供した。今回の打ち上げは、GSLVロケットによる初の太陽同期極軌道投入成功例であり、国産極低温ステージ運用の成熟も示した。

同相は最後に、ナレンドラ・モディ(Narendra Modi)首相の指導の下でインドの宇宙開発が「実用性重視」から「知識重視」の段階へ進化していると述べ、「チャンドラヤーンからNISARまで、私たちは地球規模の科学・持続可能性・共通の進歩のための新たな可能性を切り開いています」と結んだ。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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