インド科学技術省(MoST)は9月9日、傘下のビルバル・サーニー古生物学研究所(BSIP)とワディア・ヒマラヤ地質研究所(WIHG)の研究者らが、約3400万年前の南極氷床の形成とインドモンスーンシステムの初期進化の関連を示す成果を発表した。研究成果は学術誌Palaeogeography、Palaeoclimatology、Palaeoecologyに掲載された。

図1. ナガランド州における化石葉の採集地(星印)
研究チームは、ナガランド州ライソン層から発見された約3400万年前の葉の化石を解析した。保存状態が良好な標本を用いてCLAMP(気候と葉の多変量解析プログラム)手法により気候を復元した結果、当時のナガランドは現在よりも湿潤で温暖な環境にあったことが判明した。
この年代は、南極で大規模な氷床が初めて形成され始めた時期と一致していた。研究者らは、この氷床拡大が地球規模の風と降雨のパターンを変化させ、熱帯収束帯(ITCZ)を南極から熱帯方向に移動させたと結論づけた。その結果、インド北東部に強いモンスーン雨がもたらされ、豊かな森林が形成されたと考えられる。

図2. ナガランド州で採取された本研究で使用した約3400万年前の化石葉
(出典:いずれもPIB)
解析によれば、葉の大きさや形状、構造は当時の気温と降水量の高さを示していた。得られた気候像は、南極氷床形成期と符合しており、インドモンスーンの発達が南極の変動と連動していたことを裏付けている。
今回の成果は、インドモンスーンの起源を理解する上で重要な証拠を提供するだけでなく、地球の気候が相互に影響し合う複雑なシステムであることを示している。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部