インドの電子・情報技術省(MeitY)は10月5日、インド工科大学ブバネーシュワル校(IIT-BBS)にNaMo半導体研究所を新設する計画を承認したと発表した。
新研究所は、国内の半導体製造およびパッケージング分野で即戦力となる人材の育成を目的としており、IIT-BBSを半導体研究とスキル開発の中核拠点として位置付ける。これにより、インド全土で進むチップ製造施設への人材供給を支援し、Make in IndiaとDesign in Indiaの両国家プロジェクトを後押しする。
インドは世界の半導体設計人材の約20%を擁し、国内295大学の学生が業界提供のEDAツールを活用している。すでに20の教育機関から学生が設計した28個のチップがモハリの半導体研究所(SCL)で試作されている。
IIT-BBSが選定された背景には、インドのオディシャ州がインド半導体ミッション(ISM)のもとで2件の半導体関連プロジェクトを承認されたことがある。ひとつはシリコンカーバイド(SiC)を用いた複合半導体の統合施設で、もうひとつは先進的な3Dガラスパッケージング施設である。IIT-BBSにはすでにシリコンカーバイド研究イノベーションセンター(SiCRIC)が設置されており、新研究所はこれを補完する形でクリーンルームや研究開発設備を拡充する。
本プロジェクトの費用は約4950万ルピーで、国会議員地方開発計画(MPLAD)スキームの資金により実施される。NaMo半導体研究所には、半導体設計・製造・教育に必要な主要装置やソフトウェアが導入される予定で、設備費は約4600万ルピー、ソフトウェア費は約350万ルピーと見積もられている。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部