2026年09月
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AIが再発・転移を招く隠れたがん幹細胞様細胞の3状態を特定 インド

インド科学技術省(MoST)は8月12日、科学技術庁(DST)傘下のS.N.ボーズ国立基礎科学センター(SNBNCBS)とアショカ大学の研究者らが、腫瘍の遺伝子発現データから隠れたがん幹細胞様細胞の3つの分化状態を識別する人工知能(AI)フレームワークを開発したと発表した。研究成果は学術誌NAR Cancerに掲載された。

(出典:PIB)

現代の治療で数百万個のがん細胞を破壊しても、少数の細胞が生き残り、腫瘍の再発や遠隔臓器への転移、治療抵抗性につながることがある。こうしたがん幹細胞様細胞は極めて少なく、絶えず性質を変えるため、正確な検出が難しかった。新たなフレームワークは、特に医療設備が限られる地域で、精密医療を実現に一歩近づける可能性がある。

SNBNCBSのシュバシス・ハルダー(Shubhasis Haldar)博士が率いる研究は、がん進行を促す生物学的特徴を数百万個の細胞から99%超の予測精度で読み解く、同チームのAIフレームワーク「OncoMark」を発展させた。新たな「ACSCeND(AI-based Cancer Stem-like Cell Profiler and Neoplasm Deconvoluter)」は、腫瘍に単一の「幹細胞性」スコアを与える従来法と異なり、がん幹細胞様細胞を「多能性様」「複能性様」「単能性様」の3状態に分け、腫瘍内の不均一性を捉える。

ACSCeNDは、高解像度のシングルセルシーケンシングから得た知識と深層学習を組み合わせ、従来のバルク腫瘍RNAシーケンシングを解析する。これにより、単一細胞実験を利用できない数千件の患者検体でも、隠れた細胞集団を調べられる。独立したデータセットとシーケンシング・プラットフォームを用いた検証では、既存の計算手法を一貫して上回った。

研究チームはさらに、TCGAとPRECOGといった主要な国際がんデータベースを含む、腫瘍検体2万5000件超を解析した。高い分化能力を持つ多能性様のがん幹細胞が多い腫瘍は、患者の生存率低下、再発可能性の上昇、最新の免疫療法への反応低下と関連していた。ACSCeNDは、これらの細胞が生存、適応し、免疫系を回避する分子プログラムも明らかにした。新たな創薬標的の発見や再発リスクの高い患者の特定、より有効な精密がん治療の設計に役立つ可能性がある。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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