2026年11月
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ロボティクスが医学全分野に拡大、精密医療支える展望 インド

インド科学技術省(MoST)は10月2日、ロボティクスが診断や治療を含む幅広い医療分野で進歩を加速するツールとなり、人工知能(AI)やナノサイエンスとともに、精密な医療提供と精密医療のための、より大きなエコシステムを形成するとの見解を発表した。

(出典:PIB)

内科医・糖尿病専門医でもあるジテンドラ・シン(Jitendra Singh)科学技術相は、ロボット外科学会(Society of Robotic Surgery)の国際会議で開会の挨拶を行った。同相は、ロボティクスを手術に限定された技術と捉えるべきではなく、将来は内科、内分泌、循環器の診療にも応用される可能性があると述べた。AI、バイオテクノロジー、核医学などの活用に続き、量子技術、ナノ医療、ロボティクスの進歩とともに、遺伝情報に基づく診断手法の応用がさらに進むという。

精密医療では、同じ疾患と診断された患者でも、個々の患者に合わせた治療がますます必要になる。遺伝的プロファイル、環境条件、生活習慣、食事パターンが医療上の意思決定に及ぼす影響も大きくなる。同相によると、ゲノム・インディア・プログラムでは既に1万人のゲノム配列が解読されている。将来は全ての新生児のゲノム解析が行われる方向へ進むことに期待を示し、人口14億人を対象とする詳細な遺伝子配列の解読にはAIとロボティクスの最適な活用が必要だとした。

同相は経口インスリンの開発に向けた取り組みにも言及し、ナノレベルでの進歩は従来の薬物送達の制約を克服し、治療の新たな可能性を開き得ると説明した。インドでは感染症と代謝・生活習慣関連疾患が併存し、従来は高齢期に関連していた疾患が若年層にも増えている。こうした複雑な状況には、高度な技術と、より統合的で包括的なアプローチが必要だという。

インドの規模、多様性、地理的な広がりから、AIや遠隔ロボティクスは医療提供に特に有用だとした。また同相は、約1万km離れた南極の患者にロボットを用いて超音波検査を行った経験を紹介した。遠隔ロボティクスにより、患者が専門医のもとへ移動しなくても専門医の知識・技能を届けられるとし、「患者が医師に紹介されるのではなく、医師が患者に紹介されるようになるでしょう」と語った。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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