韓国科学技術情報通信部(MSIT)と韓国情報社会振興院(NIA)が、英国のオックスフォード大学と大手シンクタンクのデモス(Demos)との共同研究プロジェクトの成果として、2月にデジタル権利の推進に関する報告書を公表した。
「2025年におけるデジタル権利の推進:英国、EU、世界の動向・課題・機会(Advancing Digital Rights in 2025: Trends, Challenges, and Opportunities in the UK, EU, and Global Landscape)」と題された報告書は、「デジタル権利章典」を制定した韓国の経験をもとに、デジタル権利に関する法律、政策、技術的進歩のための包括的な枠組みを提示している。これに関連して、英国・欧州の複数の市民社会団体や技術政策研究機関から、報告書の分析結果を支持する公開書簡が発表され、英国のガーディアン紙にも掲載された。
MSITとNIAは今後、この報告書で提案された「英国デジタル権利・原則宣言(UK Declaration of Digital Rights & Principles)」の策定に貢献する予定である。韓国と英国双方の政策対応を共有することにより、人工知能(AI)とデジタルトランスフォーメーション時代におけるデジタル権利の定義、保護、促進を図ることを目指す。また、同報告書の研究成果は、韓国とOECDの共同イニシアチブである「デジタル社会イニシアチブ(Digital Society Initiative)」を通じて、OECD加盟国にも提供される予定である。
MSITのICT政策局(Office of ICT Policy)のソン・サンフン(Song Sang-hoon)次官は、「AIとデジタルガバナンスの形成における韓国の継続的な努力と成果が、この報告書を通じて改めて認められました」と述べた。そして、今後のMSITの取り組みについて、「AI主導のイノベーションを引き続き追求する一方、すべての人がテクノロジーの恩恵を受けられる公平かつ包摂的なデジタル社会の実現に向け国際協力を強化していきます」との方針を示した。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部