韓国の科学技術情報通信部(MSIT)は8月29日、韓国の亜州大学の研究チームがアメンボ科のラゴベリア(Rhagovelia)をモデルにし、機敏な水面運動が可能な世界初の超小型ロボットの開発に成功したと発表した。研究成果は学術誌Scienceに掲載された。
ラゴベリアは脚の先端にある扇状構造によって急流でも強力な推進力と機敏な動きを発揮する。しかしその仕組みはこれまで解明されていなかった。研究チームは同様の構造を持つマイクロロボットを製作し、水面での高速な速度調整や旋回、停止といった複雑な動作を再現することに成功した。
このロボットは、ラゴベリアの脚を模した21本の紐状人工毛を扇形に配置した構造を備えている。実験の結果、ロボットはラゴベリアと同様に強力な推進力と俊敏な方向転換を実現した。また、脚先の扇状部は筋肉ではなく、弾力性と水の表面張力の複合作用による弾性毛細管相互作用によって0.01秒以内に展開・収縮することが明らかとなった。
本研究は米国のカリフォルニア大学バークレー校およびジョージア工科大学との国際共同研究として進められた。成果はコ・ジェソン(Koh Je-Sung)教授が15年間にわたりアメンボの水面運動を研究してきた積み重ねの集大成でもある。
同教授は「自然の昆虫が持つ構造的知能を解明することで、将来的には環境モニタリングや救助活動、生物模倣型ロボット工学の発展につながるでしょう」と述べた。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部