韓国の科学技術情報通信部(MSIT)は、2月12日に開催された大統領主宰の国家科学技術諮問会議(PACST)において、大規模国家研究開発(R&D)事業の事前評価制度の包括的改革案が承認されたと発表した。
本改革は、予備妥当性調査制度の廃止を受け、迅速性を維持しつつ投資の適正管理を強化する新たな投資・管理体系の構築を目的とするものである。評価対象となる事業の基準額は従来の500億ウォンから1000億ウォンへ引き上げられ、事業は「研究型」と「インフラ型」に区分される。
研究型R&Dでは、人工知能(AI)や量子技術などの戦略分野を対象に、予算審議を補完する事前レビューとして、事業計画の成熟度を検証する「事業企画レビュー」を新設し、予算要求前年11月~翌年3月までの約5カ月にわたり評価を実施する。
一方、研究施設整備や宇宙システム開発などを含むインフラ型R&Dでは、失敗時の埋没費用が大きく、継続的な運用費も必要となる特性を踏まえ、事業企画から完了までを対象とする全周期にわたるレビュー体系を導入する。具体的には、現場需要の妥当性を検証する「事業実施レビュー」、設計の成熟度や実現可能性を評価する「統合設計レビュー」、外部環境の変化に対応する「主要事業変更レビュー」を段階的に実施する。
これにより、技術成熟度の不足や事業の必要性が認められない場合には早期に事業中止を可能とし、不要な予算投入の回避と財政健全性の確保を図る。また、審査範囲を柔軟に調整することで、事業変更にも機動的に対応できる体制とする。MSITは今後、審査基準や手続きの整備を進め、関係機関への周知を通じて制度の定着を図るとしている。
ペ・ギョンフン(Bae Kyunghoon)副首相兼科学技術情報通信相は「予備妥当性調査制度が18年ぶりに廃止されたことに続く今回の改革は、大規模R&Dの迅速性と財政投資の効率性を同時に高める重要な転換点です」と述べ、「国際競争力を備えた投資・管理体系を確立し、韓国が技術追随型から世界を先導する革新国家へ飛躍する基盤となります」と強調した。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部