2026年05月
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深紫外LED向け高効率量子材料を開発 韓国POSTECH

韓国の浦項工科大学校(POSTECH)は4月28日、科学技術情報通信部(MSIT)の発表として、POSTECHの研究者らがファンデルワールス半導体材料に基づく新たな量子井戸構造を実現し、既存材料の20倍を超える深紫外(DUV)発光効率を達成したと紹介した。研究成果は学術誌Scienceに掲載された。

(出典:POSTECH)

可視光域の半導体光源は白色LED照明やディスプレー、レーザー光源の発展を支えてきた。近年は、可視光より波長が短く高エネルギーの紫外(UV)LED開発が進み、COVID-19のパンデミック以降、細菌やウイルスを不活化できるDUV光源への関心が高まっている。一方、従来のUV LEDに用いられる窒化ガリウム(GaN)系半導体では、ガリウム(Ga)の一部をアルミニウム(Al)に置き換えた窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)でDUV域へ発光波長を調整できるが、200~240nmでは光源効率が1%未満に急低下する課題があった。

POSTECHのキム・ジョンファン(Jonghwan Kim)教授とチョ・ムンホ(Moon-Ho Jo)教授が率いる共同研究チームは、この限界を克服するため、ファンデルワールス層状半導体を用いた新たなLEDナノ材料を開発した。窒化ホウ素(BN)の層をねじって重ねると、電子を強く閉じ込める新しい量子井戸構造が形成されることを見いだし、「モアレ量子井戸」と名付けた。

この構造は、電子をナノメートルスケールの領域に閉じ込め、従来のAlGaN半導体と比べて20倍を超える発光効率を示した。今回の成果は、3次元のBN結晶をねじって積層するだけで、独自の2次元量子井戸構造を作れることを示した点にも意義がある。

現在商用化されている260nm帯のDUV光は皮膚や目への影響が懸念される一方、200~230nm帯は皮膚の最外層である角質層を透過しないため、人に比較的安全とされる。商用化が進めば、病院や学校、公共交通機関などで空気や表面を継続的に消毒する次世代衛生技術につながる可能性がある。キム教授は「これは、ファンデルワールス材料で観測される独自のモアレ量子物理を、2次元系から3次元材料へ拡張する概念的転換です。新たな量子材料の設計と次世代光電子デバイス開発の出発点となるでしょう」と語った。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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