2026年07月
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フィジカルAIの中核技術「ワールドモデル」の国産化に着手 韓国MSIT

韓国科学技術情報通信部(MSIT)は6月9日、情報通信企画評価院(IITP)と、フィジカルAIのコア技術を国産化する「フィジカルAI先導技術開発」プロジェクトのキックオフ説明会をソウル麻谷のLGサイエンスパークで開いたと発表した。

同プロジェクトは、海外技術への依存度が高かった主要AI技術を国産化し、韓国がフィジカルAIの世界的リーダーとなる基盤を築くことを目的とする。フィジカルAIは、政府が2026年初めに開始したAI主導の国家イノベーションプロジェクト「K-ムーンショット」の中核ミッションの一つで、防衛、農業、介護、製造、サービスなどを変革し、データ主権や国家安全保障にも直結する国家戦略技術とされる。

現実世界で動作するフィジカルAIは、事故が人命被害に直結し得るため、導入前に仮想環境での大規模な学習と検証が欠かせない。MSITは、これを可能にする中核インフラを、世界の変化を予測してAIの学習と意思決定を支えるワールドモデルと位置付ける。ワールドモデルは、フィジカルAI高度化のための合成データを大規模に生成する基盤にもなる。

プロジェクトはLGエレクトロニクス社が主導し、マウムAI社、ホリデーロボティクス社、ロボティズ社、クラウドワークス社、アルチェラ社、KT社、韓国科学技術院(KAIST)、ソウル大学(SNU)、韓国情報通信技術協会(TTA)が参加する。MSITは2026年から2年間で計340億ウォンを投じ、独自のワールドモデル源泉技術の確保、国産シミュレーター技術の検証、国産技術に基づく次世代フィジカルAI基盤モデルの開発を進める。

具体的には、ワールドモデルの現実条件シミュレーション能力とロボット基盤モデルへの転移性能を最大化し、ワールドモデルを使わない場合に比べ、実際のロボット作業成功率を20ポイント以上高めることを目指す。OpenGVLabによる現在の世界最高水準14.5ポイントを上回る目標という。政府は、ワールドモデル学習、ロボット基盤モデルとの統合、実証・性能評価、事例分析と再学習のパイプラインを構築し、2年間で4回の反復検証を行う。

リュ・ジェミョン(Ryu Je-myung)MSIT第2次官は、フィジカルAIを「韓国のパラダイムを変える国家中核技術」とし、自国技術による中核インフラ確保が世界的なフィジカルAI強国への出発点になると述べた。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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