2024年06月
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肉ベースのプロテインパウダー「Just Meat」を開発 豪CSIRO

オーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)は5月8日、レッドミート(red meat、牛や羊など哺乳類の肉)を原料とするプロテインパウダー「Just Meat」を開発し、商用化を目指していることを発表した。

パウダーはマイルドな味で、そのままでも、プロテインボール、シェイク、エナジードリンクなど、さまざまな製品に使用できる

CSIROはクイーンズランド州ロックハンプトンで5月5~11日に開催された牛肉業界のイベント「Beef Australia 2024」でこの製品を発表し、試食を提供した。イベントの主催者である豪州の食肉生産者団体ミート・アンド・ライブストック・オーストラリア(MLA)はこの製品の開発に出資・協力している。

このパウダーは従来のプロテインパウダーよりも栄養価が高くアレルゲンフリーであり、さまざまな食品や飲料に混ぜてタンパク質を補うことができる。常温保存可能で持ち運びも容易であるため、遠隔地や災害現場の栄養補給にも利用できる可能性がある。

CSIROの未来タンパク質ミッション(Future Protein Mission)の動物性タンパク質部門を率いるアーティ・トビン(Aarti Tobin)博士は、「肉ベースのプロテインには、全ての必須アミノ酸に加え、鉄、亜鉛、マグネシウムを多く含む利点がある。このパウダーはマイルドな風味で溶けやすく、私たちが開発キッチンで作った甘いプロテインボールのようなお菓子にも簡単に加えられる。このプロテインボールは有望な結果を示し試作品段階に進んでいる。私たちは変化する消費者の嗜好を満たし、増加する世界人口に対する食料供給において重要な役割を果たす、新たなタンパク質製品に着目している」と述べた。

プロテインボールに入った「Just Meat」を試食するアーティ・トビン博士(右)
(出典:いずれもCSIRO)

CSIROは商業パートナーや投資家と連携してこのパウダーの商品化を目指す。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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