オーストラリアのモナシュ大学(Monash University)は6月14日、インドの鉄鋼大手タタ・スチール(Tata Steel)と、持続可能性を焦点としたイノベーションセンター「Centre for Innovation on Environment and Intelligent Manufacturing」の設立に向けた了解覚書(MoU)に署名したと発表した。
両者はこのセンターを拠点として、持続可能な資源回収、スマート製造技術等の地球規模の課題に協力して取り組む。タタ・スチール社が豪州機関と実施する大規模な共同研究開発はこれが初めてであり、材料科学と先進製造技術における同大学の世界有数の専門性を活かした機会となる。この計画を通じて、豪州のイノベーションエコシステムとインドとの関係構築や、学生や研究者への教育・職業上の機会の提供、両国の知識・人材交流が促進されると期待される。
モナシュ大学のドロン・ベン-メイヤー(Doron Ben-Meir)副学長(Deputy Vice-Chancellor)は、「同社のような世界的な産業パートナーとの連携は、新たな材料や技術の開発を促進するうえで重要なステップとなる」と語った。
タタ・スチール社は英国でもインペリアル・カレッジ・ロンドン(Imperial College London)およびヘンリー・ロイス研究所(The Henry Royce Institute)との間で、持続可能な設計・製造、先端材料に関するイノベーションセンターの設立に向けたMoUを締結している。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部