オーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)は7月24日、同機構が作成した豪州の重要鉱物(critical mineral)中流工程産業に関する報告書に基づき、世界的なエネルギー転換時代において豪州がリーダーとなるには、この分野の発展に向けた研究・開発・実証(RD&D)への投資と国際協力が不可欠であるとの見解を発表した。
重要鉱物はエネルギー転換の鍵となる資源であり、その需要は過去5年間で倍増している。しかし、鉱物を高価値な材料へと転換する精錬などの中流工程は世界でも限られた地域に集中している。
この報告書は、豪州の重要鉱物中流工程産業の発展に必要なイノベーションを初めて包括的に評価したものである。リチウム、コバルト、ケイ素、レアアース、黒鉛に関するRD&Dと国際協力機会に関するデータを示し、以下の製造に必要な加工技術の選択肢を明らかにすることにより、投資や政策上の意思決定に有用な情報を提供している。
CSIROの戦略・経済アドバイザリー部門「CSIRO Futures」の鉱物担当リードを務めるマックス・テミンゴフ(Max Temminghoff)氏は「豪州は豊富な重要鉱物資源に恵まれ、いくつかの中流工程において世界屈指の能力を有している。中流工程での競争力を高めるには、イノベーションの推進、産業全体にわたる調整、研究界と政府の連携や国際連携が不可欠となる」と語っている。
(出典:CSIRO)
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部