2025年01月
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重要鉱物の国際共同プロジェクトに4000万豪ドルの助成金 豪政府

(出典:豪政府)

オーストラリア産業・科学・資源省(Department of Industry, Science and Resources)は、「International Partnerships in Critical Minerals」プログラムの下で、8件のプロジェクトに総額4000万豪ドルの助成金を提供すると発表した。

このプログラムは、重要鉱物部門における国際的なサプライチェーンの構築を目的に、重要鉱物処理における豪州の能力の発展に寄与し、国際パートナーとの相互利益につながるプロジェクトを支援するものである。

今回助成対象に選ばれたプロジェクトの概要および助成金額は以下の通り。

  • ヴェッコ・グループ(Vecco Group Ltd)(380万豪ドル):出光興産および住友電気工業との共同プロジェクト。クイーンズランド州でのバナジウムフロー電池の開発に向け、バナジウム鉱山の開発の実行可能性調査や高純度バナジウムのパイロットプラントの試運転・運転、電解質製造工場の設計を行う。
  • グラフィネックス(Graphinex Ltd)(300万豪ドル):出光興産との共同プロジェクト。エスメラルダ(Esmeralda)鉱床で採掘したグラファイトをクイーンズランド州タウンズビルの施設で精錬し、グラファイト電池負極材を生産する。
  • ティバン(Tivan Ltd)(739万豪ドル):住友商事との共同プロジェクト。日本・アジアへのアシッドグレード蛍石の供給に向け、西オーストラリア州イーストキンバリー(East Kimberley)地域での蛍石採掘・生産施設の実行可能調査を行う。
  • オーストラリアン・レアアース(Australian Rare Earths)(500万豪ドル):南オーストラリア州ライムストーンコースト(Limestone Coast)地域でイオン吸着粘土(ionic clay)から希土類元素の抽出を行う実証プラントを設計・構築する。
  • クリティカル・ミネラルズ・グループ(Critical Minerals Group)(270万豪ドル):出光興産との共同プロジェクト。クイーンズランド州北部でバナジウム電解質の生産チェーンの構築を目指す。
  • レナスコー・リソーシズ(Renascor Resources Ltd)(500万豪ドル):南オーストラリア州ウィングフィールド(Wingfield)で精製球状グラファイトの処理を行うパイロットプラントの建設・運用を目指す。
  • クイーンズランド・パシフィック・メタルズ(Queensland Pacific Metals Ltd)(800万豪ドル):タウンズビル近郊に建設予定のバッテリー材料精錬施設に供給するニッケルとコバルトを生産する。
  • オーストラリアン・ストラテジック・マテリアルズ(Australian Strategic Materials Ltd)(510万豪ドル):ニューサウスウェールズ州ダボ(Dubbo)で希土類・重要鉱物鉱山と処理施設を開発する。

(2024年12月6日付発表)
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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