オーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)は2月6日、豪州の農業関係者を対象に、温室効果ガス(GHG)の排出削減に向けた具体的な方法を示すマニュアル「Towards Net Zero Agriculture Pathfinder」を、豪政府のクリーンエネルギー金融公社(CEFC)と共同で作成したことを発表した。
電気自動車やエネルギー効率の高い自動車への移行には、排出ガスの削減だけでなく、ディーゼル価格の変動や将来の燃料確保など、多くの推進要因がある
(出典:CSIRO)
農業は豪州全体のGHG排出の13%を排出しており、脱炭素化に向けた取り組みが急務となっている。このマニュアルは、農家や農場経営者に、農場でのGHG排出を削減するための実践的でエビデンスに基づく戦略を提示している。紹介されている排出削減活動の多くは、CEFCを通じた資金調達上の支援を受けることができる。
低排出な農業を推進するには、次のような課題への対応が必要となる。
CSIROは企業、農家、投資家、金融機関、規制機関を含むさまざまな関係者間の協力関係の構築を通じてこうした技術への投資リスクを低減することに取り組んでいる。
CSIROのTowards Net Zeroミッションを率いるマイケル・バッタリア(Michael Battaglia)氏は、「科学、金融、政治を結びつけることで、農家が排出を削減するための慣行と手段を創出できる。これはチーム戦として取り組む必要がある」と、分野をまたいだ協力の重要性を強調している。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部