ニュージーランド政府のビジネス・イノベーション・雇用省(MBIE)は7月8日、人工知能(AI)に関する同国初の国家戦略と、企業向けの実践的ガイダンスを発表した。AIの安全な活用と経済成長を両立させることを目的としている。
政府は、AIが2038年までに国内総生産(GDP)に760億NZドルを追加する可能性があると見込み、農業、医療、教育、観光など多様な分野での生産性向上に貢献すると位置づけている。大企業の67%がAIを導入している一方で、中小企業の68%は導入計画がなく、取り組みの格差が課題となっている。
今回の戦略では、以下の3点に重点を置いている。
ニュージーランドは、国際的なAI規範形成においても積極的な立場を取っており、投資促進機関インベスト・ニュージーランド(Invest NZ)よる支援やビザ制度改革を通じて、国外からのAI関連投資を呼び込む体制を整えている。
科学・イノベーション・技術分野においては、年間12億NZドルの政府投資を基盤に、ニュージーランドのロビンソン研究所への7100万NZドルの資金拠出を皮切りとした高度技術研究機関の整備が進められている。あわせて、マースデン基金、キャタリスト基金、研究開発税制を通じて、研究成果の事業化を促進する方針である。
政府は、AIを「現代で最も重要な機会」と位置づけており、国全体の革新性と意思決定力を高めることで、生活水準と機会の向上を図るとしている。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部