オーストラリア科学アカデミー(Australian Academy of Science)は7月11日、欧州連合(EU)代表部などと共催で、EUとの研究・産業連携の強化に向けたフォーラムを開催したことを発表した。
フォーラムは7月9日に開催され、EURAXESSオーストラリア・ニュージーランド、EU代表部、フランス、ドイツ、イタリアの各大使館が共催した。学界、産業界、政府機関、外交団から幅広い関係者が参加し、戦略的な国際研究協力について議論が交わされた。
中心議題となったのは、総額1630億豪ドル超の資金規模を持つ世界最大の研究・イノベーション枠組み「ホライズン・ヨーロッパ」との連携である。オーストラリア研究者の助成採択率は30%と、平均の17%を大きく上回っている。
基調講演では、オーストラリア主席科学顧問のトニー・ヘイメット(Tony Haymet)教授が、欧州との長年の協力の歴史を紹介し、「世界をリードする科学は多くの場合、国際的な協働によって生まれます。どの国も単独では大きな課題に対応できません」と語った。
続いて、欧州委員会研究・イノベーション総局の副局長であり、ホライズン・ヨーロッパの交渉責任者を務めるシグネ・ラトソ(Signe Ratso)氏が登壇し、「EUは研究開発への投資や公的研究機関の質、出版物のレベルにおいて、国際連携における魅力的なパートナーです」と述べた。
パネル討論では、オーストラリアが米国、中国、英国、EU諸国と広範な研究協力関係を築いていることを示すデータが共有され、とりわけ「フューチャー・メイド・イン・オーストラリア」政策の重点分野であるグリーンメタル、低炭素液体燃料、クリーンエネルギー製造における欧州との連携の厚みが強調された。
このほか、前主席科学顧問のキャシー・フォーリー(Cathy Foley)博士、オーストラリア技術工学アカデミーのカイリー・ウォーカー(Kylie Walker)CEOらが登壇。オーストラリアと欧州機関の協働経験を持つ研究者らも、連携強化による成果向上の可能性を語った。ニュージーランドのイアン・コッサー(Iain Cossar)氏は、自国が2023年以降、EUとの連携により得た経済的利益に言及した。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部