オーストラリア産業・科学・資源省(DISR)は2月4日、国家再建基金の下で運営する50億豪ドル規模のネットゼロ基金の設計を最終決定し、同基金が豪州のネットゼロ移行を支援する具体的内容を公表した。

(出典:豪政府)
ネットゼロ基金は、国家再建基金(NRF)の150億豪ドルの既存枠から拠出されるサブファンドであり、再生可能エネルギーおよび低排出技術の優先分野に対する最大30億豪ドルの従来目標に代わる仕組みである。運営は国家再建基金公社(NRFC)が担い、債務や株式への投資に加え、保証の提供も可能とする。基金は2026年半ばまでに実施される予定である。
目標収益率は5年物国債利回りから1%を差し引いた水準に設定され、NRFCの一般ポートフォリオである5年物国債利回りプラス2~3%と対照的な、より優遇的な条件となる。投資は炭素集約度の低い製造・生産プロセスへの移行を支援するもので、大規模産業施設の脱炭素化やエネルギー効率向上、ネットゼロへの移行を重点とする。対象分野は産業セクター計画で特定されたサブセクターである。
また、再生可能エネルギーおよび低排出技術の国内製造拡大も支援対象とする。先進的製造プロジェクトが含まれる可能性があり、再生可能エネルギーの発電・送電・配電・貯蔵、エネルギー効率化、リサイクル、廃棄物削減に関連する製品製造が例示された。具体例として、風力タービン、バッテリー、太陽光パネル、水素電解装置の部品製造が挙げられている。投資や保証の対象は、主として豪州を拠点とし、優先分野に合致する提案である。
設計に当たりオンライン協議を実施し、120件以上の書面提出を受けた。産業製造・エネルギー分野団体、労働組合、研究者、シンクタンク、代表機関が参加し、60人以上の経営幹部級代表が出席する業界フォーラムも開催された。協議では、排出削減が困難な分野における大規模産業の脱炭素化や先進的製造プロジェクトを対象とする取り組みに強い支持が示されたとしている。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部