2026年03月
トップ  > 大洋州科学技術ニュース> 2026年03月

沖合の海洋変化が国内の異常気象に与える影響を解明へ NZオークランド大学

ニュージーランドのオークランド大学(University of Auckland)は2月9日、沖合の海洋変化が国内の異常気象や沿岸海域に与える影響を解明し将来を予測する5年間の研究プロジェクトを開始したと発表した。

本プロジェクト「テ・モアナ・マハナ:アオテアロアの気候回復力のための海洋変動予測」は、ビジネス・イノベーション・雇用省のエンデバー基金から890万NZドルの資金提供を受ける。研究代表を務める同大学のメリッサ・ボーエン(Melissa Bowen)准教授は、地球温暖化による余分な熱の約93%が海に吸収されていると指摘し、「それが異常気象をどの程度引き起こしているのかを解明したいのです」と述べた。

同准教授によると、ニュージーランド周辺の海は10年ごとに約0.2℃の割合で温暖化しており、世界平均の約2倍の速度で進行している。海面水温の上昇は大気中の水分量を増やし降雨量の増加につながるほか、熱帯低気圧の発達にも関与するという。研究チームは全球気候モデルを用いたコンピューターシミュレーションにより、今世紀末までの海水温や海流、海洋熱波、海洋に起因する気象パターンを予測する。

さらに、自走式海洋グライダー2機がニュージーランド沿岸を航行し、海水温、塩分、酸素、植物プランクトン量などを収集するほか、最大150隻の商業漁船からも海水温データを集める。ハウラキ湾やオタゴ棚を対象に、豪雨や海洋熱波が沿岸の水温や酸素、植物プランクトンに与える影響も調査する。同准教授は「将来起こり得る事態に備えるため、海洋と気候の予測を開発することが目的です」と語った。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

  • アジア・太平洋総合研究センター
  • Science Japan
  • 客観日本
上へ戻る