2026年03月
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QUAD枠組みで AI活用次世代農業支援の国際研究を推進 豪CSIRO

オーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)は2月13日、日米豪印4カ国の枠組み「QUAD」の協力の下、人工知能(AI)を活用して農家の作物管理や害虫対策、生産性向上を支援する国際研究プロジェクトを実施すると発表した。

この取り組みは、次世代農業の強化に向けたイノベーション推進プログラム「次世代農業の強化に向けたイノベーション推進(AI-ENGAGE)」の一環である。AIなどの新興技術を活用し、インド太平洋地域の農業課題への対応を目的としている。

AI駆動の作物モニタリング、収量推定、早期の病害検出を支援するためのイメージングツールを搭載した、現場で使用可能なドローン
(出典:CSIRO)

同イニシアチブには、CSIROのほか、インド農業研究評議会(ICAR)、日本の科学技術振興機構(JST)、米国国立科学財団(NSF)が参加する。各機関が自国の研究者を支援し、国際研究連携を進める仕組みである。すべての研究プロジェクトには、Quad4カ国のうち少なくとも3カ国の研究者が参加し、専門知識やデータを共有しながら地域の農業ニーズに対応する。

採択された研究プロジェクトは次の6件である。

  • 米国パデュー大学(豪印日米):リンゴ園の病害を早期検出する自律型航空・地上ロボット(UAV・UGV)の開発
  • 米国アイオワ州立大学(豪印日米):害虫や病気をリアルタイムで識別し管理を支援するAIスマートフォンアプリとチャットボット「BRIDGE」の開発
  • 米国カンザス州立大学(豪印日米):大豆の収量推定と作物の倒伏を検出するコンピュータービジョンシステム「Smart Scout」の開発
  • 米国ミズーリ工科大学およびテネシー大学(豪印日米):トウモロコシとコメの害虫・栄養管理を支援するマルチモーダルAIシステム「HARVEST」の構築
  • 米国コーネル大学(豪日米):トマト、タマネギ、イチゴの育種を加速する画像ベースの表現型解析ツールの開発
  • 米国ワシントン州立大学(印日米):回復力と生産性の高い小麦品種の開発に向けたAIによるゲノム選択モデルの高度化

CSIRO未来産業部門エグゼクティブディレクターのジェン・テイラー(Jen Taylor)博士は、「農業は気候変動、バイオセキュリティの脅威、生産コストの上昇などの課題に直面しています。AI-ENGAGEを通じて人工知能の進展を農家を支援する実用的なツールへと転換し、インド太平洋地域の農業の回復力と食料安全保障の強化を目指します」と述べた。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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