2026年03月
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AIとゲノム編集で高温ストレスに強いイネを開発 豪モナシュ大学

オーストラリアのモナシュ大学は2月25日、人工知能(AI)とCRISPRを用いたゲノム編集を組み合わせ、気候変動による高温ストレスに強いイネ品種の開発を目指す国際共同研究を開始したと発表した。

この研究は、オーストラリア・インド戦略研究ファンド(AISRF)の支援を受けて実施される共同研究プロジェクト「Designer crops: engineering thermotolerance for agricultural productivity」の一環である。モナシュ大学とインド国立植物ゲノム研究所の研究者が協力し、気候ストレス下でも収量を維持できる耐熱性イネ品種の開発を目指す。

気候変動は世界の農業生産に影響を与えると懸念されており、特にオーストラリアとインドでは気温上昇による食料安全保障への圧力が高まるとされる。米は数十億人の主食であり、両国の食生活や経済において重要な役割を担う作物である。

研究チームはAIを用いて、植物タンパク質が熱ストレスにどのように反応するかを解析する。さらにCRISPRに基づくゲノム編集によって耐熱性を高めるための精密な遺伝子改変を行う。有望なイネの品種系統は多様な環境条件で試験され、実際の栽培条件下での生育や収量の可能性が評価される予定である。

主任研究者のシュレシュクマール・バラサブラマニアン(Sureshkumar Balasubramanian)教授は、「地球の気温が上昇するにつれ、米のような作物は熱ストレスにさらされ、収量が大きく減少する可能性があります。AIと精密ゲノム編集を組み合わせることで、高温に強いイネ品種の開発を加速させることができます」と述べている。

また主任研究者のスリデヴィ・スレシュクマール(Sridevi Sureshkumar)博士は、「植物のどの要素が温度に反応するかを特定できるようになったことで、より正確な遺伝子操作が可能になります」と述べている。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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