ニュージーランドのビジネス・イノベーション・雇用省(MBIE)は10月2日、経済成長と公益に資する研究の強化、国民への長期的な恩恵の提供に向け、2026~2031年の科学投資の指針となる「柱別投資計画(Pillar Investment Plans)」を公表し、政府の科学投資計画の優先事項を具体的な成果につなげると発表した。
計画は「ニュージーランド研究資金基金(Research Funding New Zealand)」が策定し、科学・イノベーション・技術相が承認した。産業界、科学分野、事業化の専門家、マオリ経済、政府機関の助言を踏まえ、「第一次産業・バイオエコノミー」「繁栄のための技術」「環境の持続可能性と強靱性」「健康な人々と活力ある社会」の4つの柱で構成する。
既存の公的な科学投資を、最も大きな成果が期待できる分野に重点化する。特に、幅広い公益を生み、国の能力を強化し、長期的な経済競争力を支える分野で、民間投資だけでは必要な成果を実現しにくい分野を重視する。研究者、研究機関、産業界、投資家に政府の長期的な優先事項についてより確かな見通しを示し、研究、能力、連携、投資に関する判断を支える。
計画は、まもなく募集を開始する「移行期研究基金(Transition Research Fund)」を皮切りに、科学・イノベーション・技術システム全体の投資の指針となる。2027年後半には、首相直属の科学・イノベーション・技術諮問委員会による人材の能力と研究インフラへの助言、およびニュージーランド研究資金基金による資金配分の仕組みとシステムの実績への助言を反映し、更新する予定だ。
MBIEの科学担当ゼネラルマネジャー、ジーナ・ウィリアムソン(Gina Williamson)氏は、計画が事業化の加速や高付加価値の雇用創出を支える一方、健全で強靱な社会と環境の基盤となる科学への支援も継続すると説明した。ニュージーランド研究資金基金議長のエマ・ブロット(Emma Blott)博士は、生産性向上やイノベーションで先端技術が担う役割の拡大を反映し、「繁栄のための技術」を重点分野として特に重視すると述べ、「新たな発見を目指す研究から応用研究、最終利用者との連携まで、科学活動の全範囲を支援します」と語った。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部