フィリピン科学技術省(DOST)は7月11日、傘下の食料・栄養研究所(DOST-FNRI)がDOST-FNRIセミナーシリーズ(FSS)の第50回を記念し、7月3日~4日の2日間、「DOST-FNRIセミナーシリーズの黄金期」と題するイベントをパサイ市のシェラトン・マニラ・ホテルで開催したと発表した。
栄養学・食品学部門で1位を獲得したフィリピン大学ディリマン校代表のアリッサ・P・アルノコさん
Photo from Henry A. de Leon, DOST-STII (出典:DOST)
FSSは、DOST-FNRIが毎年開催している取り組みであり、研究開発の成果や科学技術に関する活動について、食品・栄養関連の関係者や一般市民に広めることを目的としている。
イベント初日は、DOSTのレナート・U・ソリダム(Renato U. Solidum Jr.)大臣のメッセージや科学ポスター展示のためのテープカットのセレモニーが行われた。研究紹介では、フィリピン人の貧血に関する有病率や子どもの発育阻害、成人の血圧に関する展示や、新しい栄養ツールや健康ガイドの発表が行われた。また、大学生による研究コンテストを開催し、栄養学部門と食品技術部門に分かれて、国内のさまざまな大学から選ばれた6名のファイナリストが参加した。
イベント2日目は、栄養不足、栄養過多、隠れた飢餓もしくは微量栄養素の欠乏への対応など、隠れた飢餓を含めた栄養学に関わる多くのテーマが取り上げられた。
その他、テクニカルセッションでは、ある疾病に対する不健康な食事とリスク、食事の多様性と栄養の適性など、栄養に関するさまざまな側面との関係がトピックとして取り上げられた。また、イノベーションを活用した食品の安全と品質の確保、各年齢における栄養状態、栄養と食環境に関する研究なども発表された。
イベントの最後にコンペティションの受賞者の発表が行われた。学生の研究コンペティションの部では、フィリピン大学ディリマン校の代表であるアリッサ・P・アルノコ(Alyssa P. Arnoco)さんとジェレマイア・A・アボッグ(Jeremiah A. Abog)さんが、栄養学・食品学部門と食品技術部門でそれぞれ1位を獲得した。また、科学ポスターコンペティションの部では、DOST-FNRIのシニアサイエンスリサーチスペシャリストであり、ポスターの主執筆者であるメイ・アン・D・ジロネラ(May Ann D. Gironella)氏とイデリア・G・グロリオーソ(Idelia G. Glorioso)氏が1位を獲得した。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部