2026年05月18日-05月22日
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中国各地で商業宇宙産業の整備が加速

2026年05月18日

 中国各地で、民間主導による宇宙関連産業の整備が進んでいる。安徽省蚌埠市の商業宇宙科学技術産業パークでは、九州雲箭航天技術有限公司の作業員によって、ロケットエンジンの組立や溶接、試験が行われている。中国新聞網が伝えた。

 同社の石奇副総経理は、「昨年9月に移転を完了したことで、工場の建築面積が3000平方メートルから2万平方メートル以上へと拡大し、量産や技術改良のためのスペースが確保された」と述べた。

 蚌埠は長年にわたる工業都市で、近年では「嫦娥」や「神舟」「天宮」などの主要宇宙プロジェクトにも関わっている。2019年に初の商業宇宙企業を誘致してから、同市は「ロケット・衛星・端末」を含む産業チェーンを構築している。これまで同市には23社の商業宇宙企業が集積し、総額60億元(1元=約23円)を超える4つの商業宇宙産業ファンドが設立されている。2025年には、同市の商業宇宙産業の生産額が前年から倍増した。

 2026年4月に発表された「安徽省商業宇宙産業発展加速行動案(2026~28年)」では、蚌埠を長江デルタおよび中部地域向けのロケットエンジン試験拠点として整備する方針が示された。5月10日に開催された第2回中国・蚌埠商業宇宙産業発展大会では、商業宇宙産業インキュベーションセンターや、禹会区と浙江大学寧波理工学院による極端密封の共同重点実験室が発足した。

 この分野に注目しているのは蚌埠だけではない。淮河流域から黄浦江沿岸、北京経済技術開発区(亦荘)から四川大涼山まで、多くの都市が商業宇宙産業に取り組んでいる。

 上海市松江区では、従来型製造業で知られた千帆路が宇宙産業関連の企業集積地へと変化している。北京亦荘では、約3.15平方キロメートルのエリアに衛星、ロケット利用、航空・宇宙、通信・航法・リモートセンシングを含む産業チェーンが形成されている。四川省涼山イ族自治州では、西部商業宇宙港の建設が進められ、製造から打ち上げまでの工程の地域内完結を目指している。四川省成都市では、未来科技城内の商業宇宙産業パーク「未来星谷」が年内に段階的に稼働する予定で、安徽省合肥市では、ハイテク産業開発区の空天情報産業パーク第1期がこのほど開業した。

 各地の取り組みの背景には、国レベルでの制度整備の進展がある。国家研究開発プロジェクトの競争的開放、民間宇宙と商業宇宙の標準体系の融合、法制度の整備などが進められている。25年11月に発表された「国家航天局による商業宇宙の質の高い安全発展推進行動計画(2025~27年)」では、2027年までに商業宇宙の発展基盤の整備を進める方針が掲げられた。

 賽迪智庫のデータによると、25年末時点で中国の商業宇宙企業は600社を超え、中核産業の規模は1兆100億元へ拡大した。25年に軌道投入された商業衛星は311基で、国内の軌道投入衛星数の84%を占めた。

 中国科学院院士(アカデミー会員)の王建宇氏は10日の大会で、「中国の商業宇宙産業は新たな発展期を迎えており、衛星インターネット、リモートセンシング応用、軌道上製造などの新しい業態が次々と出現し、1兆元規模の新興産業が急速に台頭している。スタートアップ企業からインターネット大手企業まで相次いで参入しており、宇宙産業は『ニッチ市場』から『マス市場』へと飛躍しつつある」と述べた。

 王氏はまた、民間企業にとって、商業宇宙のサプライチェーン再構築の過程に新たな市場機会があるとし、「低コスト技術をいち早く確立し、工業化生産を実現できた者が、市場の主導権を握るだろう」と述べた。

 中国航天科工集団の羅喜勝副総経理は大会で、「中国ではすでに20以上の省(自治区・直轄市)が商業宇宙の支援政策を打ち出している。商業宇宙は研究開発、製造、応用など複数の段階を含み、産業チェーンが長く、技術的ハードルが高く、資金投入規模が大きい。行政・産業界・学界・研究機関・金融・サービス・応用側の各方面の連携を推進する必要がある」と語った。

 
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