中国北京市で8月22日に開幕する世界人型ロボット運動会の関連イベントとして、各地の実環境で人型ロボットに作業を行わせ、動作やセンサーのデータを収集する「エネルギーリレー」が実施されている。福建省福鼎市での茶摘み・製茶、四川省巴中市でのドラゴンボートやちまき作りに続き、新疆ウイグル自治区では、騎射や伝統楽器の演奏、郷土料理作りなどの課題に取り組んだ。中央テレビニュースが伝えた。
新疆ウイグル自治区のサリム湖畔にある乗馬施設では、人型ロボットが、最大積載量1トン、最大関節トルク2000ニュートンメートルのロボット馬に乗り、馬上から弓を射る騎射に挑戦した。開発チームによると、車両が入りにくい山道や砂漠、草原、急斜面などでは、ロボット馬が重量物の運搬や長距離移動、不整地での走行を担う。人型ロボットは観測、機器操作、救助、対象物の識別など、器用さを必要とする作業を担当する。両者を組み合わせることで、ロボット馬を移動手段、人型ロボットを精密作業の担い手とする運用を想定している。
サリム湖では、人型ロボットがカザフ族の伝統的な撥弦楽器「ドンブラ」の演奏にも挑戦した。ドンブラは、弦を押さえる位置や弾く力がわずかにずれるだけでも雑音が生じやすく、人間でも澄んだ音色で演奏するには長期間の練習が必要とされる。今回の課題では、人型ロボットの指の位置や力加減を細かく制御し、複数の指を連動させるためのデータを収集した。
新疆ウイグル自治区伊寧市の六星街では、人型ロボットが手延べ麺料理「ラグマン(拉条子)」や羊肉の串焼きなど、新疆の料理作りに取り組んだ。油を塗った麺の生地は滑りやすく、強く握ると切れ、力が弱いと指から滑り落ちるため、指先の触覚情報に応じて把持力を細かく調整する必要がある。10日間の調整を経て、指先のセンサーが生地の硬さや滑らかさ、指にかかる圧力をリアルタイムで検知し、生地までの距離に応じて把持力を自動調整しながら、つかんで引き延ばす一連の動作を行えるようになった。
「エネルギーリレー」はこれまで、イタリア・ミラノ、福建省福鼎市、四川省巴中市、新疆ウイグル自治区伊寧市、ボルタラ・モンゴル自治州のサリム湖などで実施された。収集したデータや実施結果は、8月に開かれる世界人型ロボット運動会の開会式でまとめて紹介される予定だ。
実環境でロボットが動作する際には、関節の動きや姿勢、指先にかかる力、各種センサーの反応などが記録される。繰り返し試行し、作業に成功した際のデータを抽出し、異なる環境や作業に対応するための学習に利用する。こうしたデータを蓄積し、人型ロボットの活用範囲を広げることが狙いだ。

(画像提供:人民網)