中国の病院で、AIやデジタル技術を活用した「スマート病棟」の導入が進んでいる。河南大学第一附属医院胸部外科ではこのほど、新たなスマート病棟の運用が始まった。点滴管理やバイタル測定の自動化などにより、医療従事者の負担軽減を図っている。経済参考報が伝えた。
同病棟では、スマート点滴システムによって薬液の残量をリアルタイムで把握でき、患者や看護師が点滴ボトルを常に注視する必要がなくなった。スマートベッドサイド端末では、診療費明細や検査結果などを確認でき、問い合わせの待ち時間も短縮された。さらに、ベッドサイドの血圧計や体温計で測定したデータは、自動的に病院情報システム(HIS)へ同期される。
復旦大学附属中山医院アモイ医院でも、5Gスマート病棟へのアップグレードが完了している。ナースコール対応、バイタルサイン監視、リスク警報、看護サービスを一体化したクローズドループ管理システムを構築した。中山大学腫瘍防治センター黄埔院区のスマート病棟では、病棟全体の点滴の進行状況をリアルタイムで把握できるほか、夜間はワンタッチで病棟全体を静音モードに切り替え、騒音の影響を軽減できる。遠隔回診では、医師が離れた場所から電子カルテを呼び出し、患者の身体状態や精神状態を確認できる。
このほか、転倒防止スマート監視システムが異常を自動検知して警報を発するなど、スマート病棟の活用範囲は広がっている。調査会社IDCの予測によると、2029年までに、新設病院または大規模改修プロジェクトの20%に、AIを活用したスマート病棟が導入される見通しだ。
国研新経済研究院の創設者で院長を務める朱克力氏は、「今後3年間も業界は安定した高成長を維持するだろう。2026年の中国国内のスマート病棟市場規模は170億元(1元=約23円)を突破し、29年には市場全体の規模が340億元を超える見込みだ」と述べた。