中国科学技術大学先進技術研究院の研究チームが、圧力や温度など複数の触覚情報を感知できるフレキシブル電子皮膚を開発した。わらなどの農林業廃棄物から製造したバイオベース素材を主要原料に使用しており、人型ロボットなどへの応用を想定している。中国新聞網が伝えた。
フレキシブル電子皮膚プロジェクト責任者の常梓軒氏によると、電子皮膚にはフレキシブル圧力センサーを搭載し、表面に高密度の微小センサーを配置している。AI(人工知能)モデルと組み合わせることで、圧力の大きさや方向、温度変化など、複数の触覚情報を同時に認識できる。
すべてのセンサーは超薄型の柔軟フィルムに集積され、最も薄い部分は0.1ミリメートル。柔軟性が高く、不規則な曲面にも密着できるため、ロボットの顔や腕、手のひらなど、さまざまな形状の表面に装着できるという。
研究チームは、研究室での試作段階から実用化可能な製品へ移行するため、材料性能、加工技術、信号処理アルゴリズムの改良を進めた。独自開発したポリウレタンフィルムを基材と封止材に採用して耐久性と耐摩耗性を高めたほか、高密度に配置したセンサーを量産するための高精度加工技術を開発。信号の取得・処理システムも最適化し、AIモデルの訓練に使う触覚データを収集できるようにした。
常氏によると、手のひらサイズの触覚センサーの価格は約1000元(1元=約23円)という。
現在は実用化に向けた取り組みが進められており、将来的には人型ロボットへの搭載を想定している。人や障害物との接触を感知することで、視覚だけでは捉えにくい状況にも対応し、安全な人とロボットのインタラクションにつなげる。このほか、新エネルギー自動車のスマートコックピットやスマートホームへの応用も可能で、利用者が意識することなく座り姿勢や寝姿勢、関連する健康データをモニタリングし、スマート介護や家庭での健康管理に活用できるという。

(画像提供:人民網)