スマートフォンのアプリで農地の区画を指定し、「この農地はブルーベリーの栽培に適しているか」と入力すると、人工知能(AI)が土地の条件を分析し、詳しい報告書を作成する。これは、中国企業の捷佳潤科技集団が開発した農業向け大規模AIモデル「土諦AI」の機能の一つだ。中国広西チワン族自治区南寧市にある中国・ASEAN人工知能応用協力センターで12日、同社が紹介した。新華社が伝えた。
同社によると、「土諦AI」は農家に対し、農業生産や販売などに関する参考情報を提供する。また、同社が開発したAI農園巡回システムは、気象観測所、害虫監視装置、土壌監視機器などから環境データをリアルタイムで収集する。さらに、AI画像認識技術を使って作物の生育状況を監視し、病害虫の発生リスクを把握する。
同社のスマート農業技術は、ASEAN諸国でも導入が進んでいる。カンボジアのコンポンチュナン州では、スマート農業クラウドプラットフォームを使い、野菜の温室に設置されたスプリンクラーや点滴灌漑設備、気象観測所などの機器を管理している。ラオスのパクセーでは、約267ヘクタール規模のバナナ農園で、スマート化システムを活用した管理が行われている。
捷佳潤の張興傑副総経理によると、同社は農業向けのデジタル管理システムや「土諦AI」などを基盤に、中国・ASEAN越境農業スマート意思決定プラットフォームを構築した。現在、中国とASEANの計13万3000ヘクタールを超える農地にサービスを提供している。同氏は、労働力を20%以上削減できるほか、水や肥料の利用効率も高められると説明した。
広西医科大学附属口腔医院では、ASEANとの医学交流や人材育成にAIを利用している。同院が中心となって開発した「口腔医学ASEAN多言語AI同時通訳システム」は、東南アジアの10以上の言語に対応し、リアルタイムで相互通訳ができる。また、AIと仮想現実(VR)を組み合わせた診療シミュレーションシステムにより、ASEAN諸国の歯科医師は渡航することなく、VR機器を使って臨床操作を模擬体験できるという。
南寧市の五象雲谷AI智算産業園では、潤建股份有限公司が「トークン工場」と呼ぶAI処理施設を運営している。同施設には多数のサーバーが設置されており、1時間当たり最大2000億トークンの処理能力があるという。同社はAIの計算処理機能を標準化されたサービスとして提供しており、利用者は必要な分だけサービスを利用し、使用量に応じて料金を支払う仕組みだ。
同社によると、これまでにASEAN諸国で500件を超える現地向けプロジェクトを受注し、AI計算センターやデータセンター関連のプロジェクト約80件を引き渡している。

南寧国際会展センターで、多言語対応のAI透明ディスプレーについて説明を受ける来場者。
(画像提供:人民網)
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