中国民政部と全国老齢活動委員会弁公室が発表した「2025年度国家老齢事業発展公報」によると、2025年末の中国の60歳以上人口は3億2338万人で、総人口の23%を占めた。高齢化が進む中、歩行支援や転倒時の保護、排泄介助などに対応する機器の開発が進められている。科技日報が伝えた。
9月に開催された「2026中国国際福祉博覧会」では、湖南軼疆医療科技が開発した外骨格ロボット「ステルスロボット」が展示された。対麻痺や片麻痺、下肢筋力の低下がある人向けの製品で、本体の厚さはわずか2センチ。衣服の下に装着でき、外から目立ちにくいのが特徴だ。
同社の段栄瓊副総経理によると、独自開発のAIアルゴリズムによって使用者の歩行リズムをリアルタイムで予測し、歩き始めに合わせて動力を供給する。ゆっくり歩くときは補助する力を弱め、歩く速度が上がると補助する力も強める仕組みだ。
雲南省玉渓市の竜さんは、幼少期にポリオを患い、長年杖を使って歩いていた。このロボットを使用したことで、40年以上ぶりに一人で歩くことができ、両手を自由に使えるようになったという。竜さんは、身体機能が元通りになったわけではないものの、自分の意思に従って体が前に進む体験に感動したと語った。
蘇州衣帯保智能技術が開発した転倒時保護ベストは、転倒を検知するとエアバッグが展開し、頭部や首、腰などを覆って衝撃を緩和する仕組みだ。展示会場での実演では、ベストを着用した体験者が地面に倒れるとエアバッグが作動し、体を保護した。
同社によると、ベストには2種類のセンサーとAIチップを搭載しており、身体の姿勢や動作の軌跡をミリメートル単位で検知できるという。前かがみや着席、歩行などの日常動作と転倒を区別し、転倒の兆候を検知すると0.15秒以内にエアバッグを展開する。また、転倒時には家族やかかりつけ医などの緊急連絡先に自動で通知する機能も備えている。
拓邦股份傘下の深圳躍上機器人は、体が不自由でも自分でトイレを利用したい人向けに、移動式のトイレロボットを開発した。ボタン一つで呼び出すと、ロボットが利用者のそばまで移動する。利用者は備え付けの便座を使って排泄でき、使用後は汚物の排出と洗浄を自動で行う。介護する人の負担軽減にもつながる仕組みだ。
プライバシーに配慮し、カメラを使わない障害物回避方式を採用している。15個の非視覚センサーとAIを組み合わせ、周囲の障害物を検知しながら移動経路を自動で調整する。昼夜を問わず使用できるように設計されている。

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