中国の北方地域では、冬になると石炭ボイラーによる暖房が広く使われているが、近年は原子力発電所の熱を利用した暖房供給も導入されている。中国新聞網が伝えた。
原子力暖房は、原子力発電所で発生した蒸気の熱を複数回の熱交換によって取り出し、配管を通じて離れた地域に輸送する仕組みだ。
2019年、中国初の原子力暖房供給の商用実証プロジェクト「暖核1号」第1期が山東省海陽市で稼働し、周辺70万平方メートルの地域に暖房を供給した。
2021年には供給面積450万平方メートルの第2期が稼働。2023年11月には第3期が稼働し、中国で初めて地級市(省と県の中間にある行政単位)の行政区域を越えた原子力暖房供給が実現した。これにより、山東省煙台市に属する海陽市から、威海市に属する乳山市へと供給範囲が広がった。
7回の暖房シーズンを経た「暖核1号」は現在、海陽市と乳山市の住民40万人、計1350万平方メートルの地域に暖房を供給している。これまでの供給熱量は累計1973万ギガジュール(GJ)に達した。
「暖核1号」は今後、供給範囲をさらに拡大する計画だ。海陽原子力発電所の3号機と4号機の稼働に伴い、青島市にも原子力による暖房を供給し、膠東半島で行政区域を越えた暖房供給ネットワークを構築する方針だ。長期的には、暖房供給能力が2億平方メートルに達すると見込まれている。
浙江省嘉興市海塩県では、2021年末から中国南方地域初の原子力暖房供給プロジェクトが実施されている。県内の秦山原子力発電所と海塩県が連携し、約5年間で累計約75万平方メートルを対象とした原子力暖房供給事業の開発・整備を進めてきた。
遼寧省大連市では、紅沿河原子力発電所の原子力暖房供給モデルプロジェクトが2022年11月に稼働し、紅沿河鎮の住民約2万人が原子力による暖房を利用できるようになった。
(提供元:人民網)