5月30~31日にスイスのジュネーブで行われた国際会議にてインドの通信局高官が登壇し、インドが責任と信頼がある人工知能(AI)のための世界標準の起草の作成を主導していることを強調した。インドのAI関連のポータルサイトINDIAaiが6月5日に伝えた。
インドの通信局次官であるニラジャ・ヴェルマ(Niraj Verma)氏は、AI標準化、規制、産業発展の未来に関する円卓会議に参加し、「AI産業におけるグローバル協力の調和」セッションに登壇した。講演内ではインドの道路交通・高速道路省の標準化機関であるTECが現在、AIシステムの堅牢性を評価・格付けするための別の標準を策定中であることも述べた。
さらにインドの代表団は、発展途上国が技術へアクセスしやすいことや手頃な価格を保証することの重要性を各国に向けて伝えた。AIは、効率性を高め、サービス提供を改善し、情報に基づいた意思決定を支援することができ、デジタル・ガバナンスに革命を起こす計り知れない可能性を秘めている。一方で、ガバナンスにおけるAIの恩恵を十分に実現するためには、倫理、プライバシー、包括性の課題に取り組む必要がある点も強調された。
インド代表団は、「政府のAIジレンマ:報酬の最大化、リスクの最小化」や、「将来を見据えたリーダーズトークX」、「AI for Good」などのセッションに登壇し、「持続可能な未来構築のための新技術」や、「AIガバナンス:インクルージョンと信頼をどのように確保するか」、「持続可能な開発のためのスペースーコネクティビティの事例」など、インドが電気通信分野でAIを活用し、持続可能な未来を築くために行った様々な改革について紹介した。
今後インドは、2024年10月15~24日まで世界電気通信標準化総会(WTSA)2024をニューデリーで開催し、各国からの外国代表団を招待する予定だ。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部