韓国の高麗大学校(Korea University)のノ・ジュンホン(Noh Jun Hong)教授が率いる研究チームが、ハロゲン化物ペロブスカイト太陽電池の積層構造における発光効率を高めることにより、効率が25%を超える高性能なペロブスカイト太陽電池の開発に成功した。
ペロブスカイト太陽電池の効率を理論限界に近付けるための研究にはフォトルミネッセンス量子収率(photoluminescence quantum efficiency analysis)の分析が有用であるが、過去の研究の大部分は、装置全体よりも、ペロブスカイト薄膜単体のフォトルミネッセンス量子収率に焦点を当てていた。
同チームは、装置構造におけるフォトルミネッセンスの変化を分析し、フォトルミネッセンス量子収率と電力変換効率に明確な相関があることを示した。また、フォトルミネッセンス量子収率を高めるには最下層の電荷輸送層とペロブスカイト層の接合面を制御することが重要であることを明らかにし、これを制御する技術を用いて高性能なペロブスカイト太陽電池を開発した。
ノ教授は「本研究は、優れた太陽電池は優れたフォトルミネッセンス装置でなければならないという考えに基づいて、熱力学的限界に近づくための研究の方向を再確認した」と語った。
2022年12月28日付け発表。研究成果はオンラインで学術誌 Joule に掲載された。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部