2024年07月
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量子ドットの発光を効果的に制御するメタサーフェスを開発 韓国POSTECH

韓国の浦項工科大学校(POSTECH)は6月11日、機械工学・化学工学部(Department of Mechanical Engineering and Department of Chemical Engineering)のロ・ジュンスク(Rho Junsuk)教授らが率いる研究チームが、量子ドットを用いて発光を効果的に制御できるメタサーフェスを開発したと発表した。研究の成果は学術誌Nano Lettersのオンライン版に掲載された。

(出典:POSTECH)

量子ドットは、発光波長を正確に調整できる高効率な発光材料として、QLEDや量子コンピューティングに用いられている。近年、メタサーフェスを用いて量子ドットの偏光や発光方向を制御する方法が盛んに研究されている。これまではメタサーフェスに量子ドットを直接埋め込むことはできず、これらを別々に作製してから組み合わせていた。この方法により、量子ドットの発光の制御に限界が生じていた。

今回、研究チームは、ナノインプリントリソグラフィ(NIL)を用いて量子ドットをメタサーフェスに直接埋め込むことに成功した。この方法で作製されたメタサーフェスでは、量子ドットが発する光の方向を従来よりも効果的に制御できることがわかった。実験では、量子ドットを単純にコーティングした場合と比較して、発光効率が25倍まで向上した。

ロ教授は今後について、「発光制御メタサーフェスを用いることで、より鮮明なディスプレイや、より精密で高感度なバイオセンシングが可能になる。さらなる研究によって、より効果的な発光制御が可能になれば、ナノ光学センサーや光電子デバイス、量子ドットディスプレイなどの分野の発展につながるだろう」と語った。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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