オーストラリア産業・科学・資源省(Department of Industry, Science and Resources)は5月16日、オーストラリア連邦政府が5月14日に発表した2024/25年度予算案に、同国の重要鉱物(critical mineral)加工産業の確保に向けたさまざまな施策が盛り込まれていることを伝えた。同省は以下のような見解を述べている。
豪州は重要鉱物の豊富な埋蔵量を有し、重要鉱物は同国の経済的主権やクリーンエネルギーへの転換に不可欠な要素である。豪州国内での加工を支援することは、重要鉱物サプライチェーンの回復力を高め、豪州企業がバリューチェーンのより上位へと進出できるよう促すことにつながる。
予算案には「重要鉱物戦略2023-2030(Critical Minerals Strategy 2023-2030)」の目標に沿った以下のような計画が含まれる。
- 豪州地質調査所(Geoscience Australia)による、豪州の重要鉱物を含む天然資源のマップ化プロジェクト「Resourcing Australia's Prosperity」に10年間で5億6610万豪ドルを支出。
- 重要鉱物加工費の10%に対して給付付き税額控除(refundable tax offset)を提供する制度「Critical Minerals Production Tax Incentive」に10年間で70億豪ドルを支出。
- 中小鉱業企業による重要鉱物加工を支援する共用施設の設立を目指す「Critical Minerals National Productivity Initiative」に1020万豪ドル)を支出。
- Critical Minerals FacilityとNorthern Australia Infrastructure Facilityを通じて国内の重要鉱物プロジェクトに出資。
- 重要鉱物の貿易パートナーシップを支援する貿易強化計画に3年間で580万豪ドルを支出。
- 重要鉱物産業を他国の干渉から保護することを目的とした産業・科学・資源省のパイロットプログラムに3年間で100万豪ドルを支出。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部