フィリピン科学技術省(DOST)は9月14日、台風など複数の自然災害の危険にさらされるカガヤン州が、科学技術とリスク情報を地方行政に取り入れて災害への備えを強化しており、DOSTも科学的なツールや技術支援を提供していると発表した。

(出典:DOST)
9月10日にトゥゲガラオ市で開かれたイベントで、カガヤン州のエドガルド・B・アグリパイ(Edgardo B. Aglipay)知事は、同州を含むカガヤン・バレー地域が台風の通り道にあり、州内には活火山があるほか、津波の脅威にも直面していると述べた。災害後の迅速な対応にとどまらず、予防、備え、早期の行動、復旧、より賢明な再建が必要だと強調した。
DOSTが支援する移動式指揮通信車両 (MOCCOV) は、緊急時に現場での指揮、通信、監視、状況把握、関係機関の連携を強化するための車両である。同知事は、車両の価値は高度な装備そのものだけでなく、機関間の連携や意思決定を改善し、人命を救える点にあると述べた。
カガヤン州議会のエンゲルベルト・カロナン(Engelbert Caronan Jr.)議員は、災害リスク軽減の取り組みが個別の事業や担当者に依存すると、勢いを失いかねないと指摘した。ISO 9001:2015などのリスクに基づく管理の枠組みに災害リスクへの対応を組み込み、定期的に見直すことを提案。気象予測や災害評価、リスク地図の技術も自治体の日常業務で使い続ける仕組みが必要だと訴えた。
トゥゲガラオ市のマイラ・ロサリオ・ティンケ(Maila Rosario Ting-Que)市長は、同市が5つの州への玄関口であり、近隣地域の支援にも災害対応能力が重要だと述べた。
DOSTのレナート・U・ソリダム(Renato U. Solidum Jr.)科学技術相は、気象・水文予報や地震・火山情報、GeoRisk PH、HazardHunterPH、地震被害迅速診断システム(REDAS)などを挙げ、土地利用計画やインフラ投資、緊急時の備えに科学情報を生かすよう求めた。MOCCOVについても、訓練を受けた人員、明確な手順、機関間の連携、定期的な訓練があってこそ十分に機能すると述べた。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部