中国の長安大学などの研究チームが発見した新鉱物「烏斯河鍺鉱(Wusiheite)」が今月、国際鉱物学連合(IMA)の新鉱物・命名・分類委員会に承認された。中国で見つかった初の独立したゲルマニウム酸塩鉱物となる。科技日報が伝えた。
ゲルマニウムは、半導体や光ファイバー通信、赤外線光学、太陽電池などに使われる重要な金属である。一方、地殻中の存在量が少なく、単独で鉱床を形成することが極めて難しいため、主に鉛・亜鉛鉱床や石炭鉱床に含まれる随伴元素として産出する。
長安大学の温漢捷教授の研究チームは2023年から、中国科学院広州地球化学研究所の朱建喜研究員のチームや中国科学院地球化学研究所などと共同で、四川省の烏斯河鉛・亜鉛鉱床にある団塊状の鉱石について鉱物学的な研究を進めてきた。その結果、ゲルマニウムを主要成分とする複数の鉱物を発見した。
烏斯河鍺鉱はベニト石族に属し、結晶系は三方晶系。今回の研究では、3次元電子回折技術を用いることで、従来の単結晶X線回折では解析が難しかった微小な鉱物粒子についても結晶構造を解析できることが示された。
烏斯河鍺鉱の酸化ゲルマニウムの平均含有量は72%で、アルグタイト(GeO₂)に次いで高い。烏斯河鍺鉱は、瑞忠鍺鉱、文慶鍺鉱に続き、烏斯河鉛・亜鉛鉱床で確認された3番目のゲルマニウムに富む鉱物となる。今回の発見により、同鉱床でゲルマニウムを多く含む主要な鉱物が明らかになり、ゲルマニウムに富む熱水流体の変化や、ゲルマニウムが高濃度に集積する仕組みを解明する手掛かりになるとしている。

(画像提供:人民網)